バービカン


ロンドンに来られてよかったことのひとつは、クラシックコンサートがとにかく充実していること!世界中の有名人がロンドンに集合してくださいます!東京も確かにいいのですが、チケットが高い上にチケット戦争が厳しい。今シーズンの始まりから、随分と楽しませてもらいました。

昨日行ってきたのはバービカン・ホール。ダニエル・ハーディング指揮、ロンドンシンフォニーオーケストラ、ブルックナー7番です。ブルックナーは私がこよなく愛する作曲家で、チャンスがあればいろいろな指揮者の演奏を聴いています。今回の若き先鋭ハーディングの演奏はなかなか力強く、広く、高くブルックナーのメロディーを演奏してくれましたが、巨匠達のCDを片っ端から聞いている私には「まだ青いな」(←偉そうに、というつっこみはなしでお願いします。)といった感じ。今後に期待します。

昨日のもうひとつの楽しみはバービカン・ホールのあるバービカン・センターを歩くこと。バービカン・センターは第2次大戦後に破壊されたロンドンの一画が再開発されて作られた複合文化施設。ホールの他にも映画館、アートギャラリー、劇場などがあり、センター内には高層住宅もあり、約2,000戸、4,000人が暮らしているという。再開発計画が50年代に募集され、1982年に完成したというから、それはそれは長い道のりだったんだと思う。もちろん莫大な総工事費が投入されている。(1億6000万ポンド!)

地下鉄バービカンの駅を出ると目の前に広がるのは、どこの世界に飛んできてしまったのかと思うほどのコンクリート群。歴史的建築物が残るロンドンの市街地とは全く違うこの風景。(ドイツではこのような建築は60-70年代に建てられたセンスのない東ドイツの建物として、嫌悪されていた。)

↓地下鉄駅を出ての風景。この高層ビルはどれも住宅。↓
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↓コンクリートで囲まれた敷地の中心には人工池と憩いの場所があり、夏の暑いこの日、多くの人が思い思いにくつろいでいた。↓
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↓ホールの中は、外観とうって変わりモダンなライトニングと色遣い。コンクリートの枠組みはそのままでこんなに近代的に見えるから不思議。バービカン・ホールのイメージ色オレンジが、また雰囲気を高めている。↓
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歴史的建築物が保護されているロンドンで、なぜこのような、見ているだけで暑苦しく、威圧感すら感じるコンクリート群の建物が好まれているのだろう。ロンドン全体で住宅の高級整備化が進んでいる中、ここの不動産価値も上昇している。「バービカン・見学ツアー」に参加した知人の話では、「60年代」の建物に住んでいることを楽しみ、アパートの家具も全て60年代に統一している人もいた、とのこと。なるほど、もしかしたらそこがドイツと違うのかもしれない。

60年代には60年代という「色」があり、多人種多文化を受け入れる許容力のあるロンドンでは、それはそれでひとつの「色」として受け入れられているのではないだろうか。もちろん立地条件や、総合施設内の物件、という辺りに魅力を感じる人もいるだろう。絶対ここには住みたくないという人も当然いると思う。すごいのはこの一角には再開発の目的通り、つまり完成してから約30年経っても文化的な雰囲気が漂っているということ。ここを訪れる市民や観光客、そしてバービカン住人のパワーなんだと思う。

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